このレッスンでできるようになること
毎回同じ説明を入力している仕事は、再利用できる手順にまとめる候補です。ただし、長い依頼文を保存するだけでは、資料や担当者が変わったときに対応できません。このレッスンでは、前のコースで作った比較表を題材に、うまくいった手順と判断基準をSkillとして保存します。目標は、別の資料を渡しても、同じ品質基準で結果を受け取れることです。
1.保存する仕事を一つ選ぶ
Skillは仕事の進め方、Routineはその仕事を起動する時刻や条件を扱います。最初から定期実行せず、まず人が結果を確認できる単発の仕事を選びましょう。今回は「二つの提案書を、指定した条件で比較する」という作業に絞ります。資料の数も比較項目も不定のままでは、成功と失敗を判断しにくいためです。
元にするのは、実際に内容を照合し、修正が終わった成果物です。きれいな表ができただけで成功例にしないでください。価格の単位、情報の不足、根拠の場所を確認した記録があれば、それを手順に取り込みます。まだ一度も試していない方法は、検証済みの手順と分けて扱います。
2.毎回変わる情報を切り離す
手順を「固定する部分」と「依頼のたびに渡す部分」に分けます。固定するのは、原本を変更しない、根拠を付ける、不明を推測で埋めない、といった品質基準です。毎回渡すのは、比較する資料、判断条件、対象期間、出力先です。今回の顧客名や金額を、そのまま共通ルールへ埋め込まないようにします。
入力が足りない場合の動作も決めます。比較対象が一つしかなければ質問する、価格の期間が分からなければ不明と記す、資料を開けなければ読めなかった範囲を報告する、という具合です。正常な結果だけでなく、途中で止まる条件まで書くと、次回のやり取りが短くなります。
3.会話からSkillを保存する
確認済みの比較表があるBotの会話を開き、次の依頼文を送ります。これは本ガイドの練習用テンプレートです。保存対象を直前の比較作業に限定し、別の仕事や個人情報を混ぜないようにしています。
公式の設定方法では、保存したSkillを入力欄の「/」から参照できます。表示されない場合は、Connect apps → Your plugins → Manage plugins and skillsを開き、Private skillsの登録を確認します。画面名が異なる場合は、似た項目を推測して進めず、現在のアプリの案内を確認してください。
保存できたという返答だけで終わらず、実際の内容を読みます。「比較する」の一文しか残っていない、今回の価格が固定値になっている、送信禁止の条件が抜けている場合は、その箇所を修正します。必要な接続やログインは、Skillの保存とは別に確認します。
4.別の資料で呼び出して試す
二回目は、最初と違う練習資料を使います。入力欄で「/」を入力し、保存した「提案比較」を選択して、比較する資料と判断条件を添えます。前回と同じ資料だけで試すと、手順が再利用できたのか、前回の内容を繰り返しただけなのかを見分けにくくなります。
テストでは三つのケースを用意します。一つ目は必要な情報がそろった資料、二つ目は価格の記載がない資料、三つ目は二つの資料で条件が食い違う場合です。情報がないときに止まる、あるいは不明と報告することも、正しい動作に含めます。空欄を勝手に補って表を完成させることを、成功と評価しないでください。
結果の確認項目は毎回同じにします。比較対象がそろっているか、数値の条件が一致しているか、根拠をたどれるか、未確認事項が残っているか。この四点を手元に置き、実際の表と照合してください。テスト用の資料は、元の内容と期待する結果が分かる状態で保存します。
5.修正履歴を残して育てる
失敗した場合は、Skill全体を長くする前に、足りなかった判断を一つ特定します。年額を月額として扱ったなら、価格の期間を確認する工程を直します。根拠が曖昧なら、ページ番号や見出しの示し方を追加します。「もっと注意する」のような抽象的な修正では、次回の検証が難しくなります。
変更日、変更した理由、再テストした資料を一行で記録しましょう。以前は通っていたケースも一度確認し、新しいルールが別の部分を壊していないか見ます。手順を改めるたびに、すべての過去案件をやり直す必要はありません。代表的な少数のテストをそろえることが、継続しやすい運用につながります。
実践課題と完了チェック
確認済みの仕事を一つ選び、固定ルールと毎回の入力を分けてSkillへ保存してください。保存内容を読み、別資料で一回、不足情報を含む資料で一回試します。手順を呼び出せる、成功条件が分かる、不足時の動作を確認できる、という三点がそろえば完了です。次のレッスンでは、この手順をいつ動かすかをRoutineで設定します。

