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コース03 / レッスン04 · 公開中

役割と記憶を設計する:15役職の構成例

本文 約2,200文字 · 2026年10月18日確認

このレッスンでできるようになること

リーダー、PM、調査担当などの役職を持つBotを並べると、小さな会社のように仕事を進められそうに見えます。ただし、人数を増やすだけでは、同じ調査を繰り返したり、誰も完成に責任を持たなくなったりします。このレッスンでは、役職の名前より先に成果と受け渡しを決め、必要に応じてBotを分ける設計を学びます。15役職の構成案も紹介しますが、最初は三つの役割で一件を完了させる方法を勧めます。

1.公式の実例と設計案を分ける

公式サイト掲載のEric Zakariasson氏の実例では、案件ごとのチャネルとNotionの管理表を用意し、PMが調整を担います。既存Botを優先し、PM以外は最大五つという運用ルールも紹介されています。ただし、これは本人が試している構成であり、製品上の人数制限や標準組織ではありません。

以下の15役職は、本ガイドがWeb制作案件を題材に整理した設計案です。公式の標準構成や、特定の利用者の組織を再現したものではありません。役職を15個定義することと、15体を同時に動かすことは分けて考えます。一つのBotが複数の役割を担う段階から始めても構いません。

2.成果から責任を割り当てる

最初に「誰が、何を受け取れば、この案件は完了か」を一文で書きます。例は「担当者が確認できる、出典付きのサービス紹介ページを作る」です。次に、要件整理、調査、構成、制作、検証という作業へ分けます。それぞれに担当者と成果物を一つずつ割り当て、同じファイルを複数Botが同時に編集しないようにします。

リーダーは目的と優先順位の案をまとめ、PMは作業順序、担当、期限、未解決事項を管理します。この二者が両方とも全員へ細かい指示を出すと、指示が競合します。最終判断は人が行い、日常の進行窓口はPMへ集める、と決めると責任が明確になります。

3.15役職の構成例

次の一覧は、担当範囲と受け渡す成果を対応させたものです。必要な役職だけ採用し、扱う資料、期限、承認が必要な操作を案件ごとに追加してください。

  1. リーダー:目的と優先順位を整理し、判断案を人へ提出する。
  2. PM:担当、依存関係、期限を管理し、進捗表を更新する。
  3. 要件定義担当:読者、用途、必須条件を要件書にまとめる。
  4. 顧客調査担当:公開情報や許可された資料から課題を整理する。
  5. 競合調査担当:比較条件をそろえ、出典付きの比較表を作る。
  6. 企画担当:調査を基に、訴求の案と採用理由を提案する。
  7. 情報設計担当:ページ構成と閲覧順を設計する。
  8. ライター:構成に沿った本文と見出しの原稿を作る。
  9. 編集者:重複や説明不足を直し、文章の一貫性を整える。
  10. 事実確認担当:重要な主張と出典を照合し、未確認を列挙する。
  11. UIデザイナー:文字、余白、画面構成を設計する。
  12. 実装担当:仕様に沿ってページと操作機能を作る。
  13. QA担当:リンク、表示、操作を確認し、再現条件を報告する。
  14. アクセシビリティ担当:読み順、見出し、キーボード操作を確認する。
  15. 運用・計測担当:公開後の確認項目、更新責任、計測計画をまとめる。

役職名を付けても、専門資格や正確性が保証されるわけではありません。事実確認担当にも根拠を提出させ、人が重要箇所を確認します。制作物を別のBotが褒めただけで「第三者検証済み」と扱わないようにしてください。

4.最初はPM・制作・レビューの三役

初回は、PMが要件と完了条件をまとめ、制作担当が成果物を作り、レビュー担当が条件との違いを指摘する構成にします。調査と執筆が同じ資料で完結するなら、制作担当にまとめられます。調査量が多くて制作が止まるようになった段階で、調査担当を分けます。

受け渡しには、案件名、対象ファイル、完了した範囲、未確認事項、次の担当を含めます。「続きよろしく」では、受け取る側が前提を推測しなければなりません。PMは成果物を一つの管理表へ結び付け、状態を未着手・作業中・確認待ち・完了などで区別します。完了へ進める条件は、着手前に決めておきます。

この案件の分担案を、PM・制作・レビューの三役で作ってください。各役の入力資料、担当範囲、成果物、完了条件、次の受け渡し先を示してください。担当の重複があれば解消してください。まだBotの追加、外部への連絡、公開は行わず、私が確認できる設計案で止めてください。

5.記憶と正本を使い分ける

Botの説明には、担当範囲や毎回守るルールを書きます。一方、今週の締切や最新の価格など、変わる情報は管理表や原資料を正本にします。会話の記憶だけに頼ると、以前の条件を現在も有効だと扱うおそれがあります。着手時に、参照する版と更新日を確認する手順を入れてください。

Bot同士の会話は、仕事を受け渡す手段として使えます。ただし、会話を増やすこと自体を目標にしません。全員がすべての報告に返答する運用より、担当者が結果を出し、PMが必要な判断だけまとめる方が、人も経過を追いやすくなります。手戻りが二回続いたら人に相談する、といった停止条件も決めましょう。

実践課題と完了チェック

自分の仕事を一つ選び、三役の分担表を作ってください。各成果物に責任者が一人いるか、受け渡し先が明確か、判断が必要な場所で止まれるかを確認します。その後、15役職の中から将来分けたい役を一つだけ選び、分ける理由を書きます。役職数ではなく、完成までの時間と修正の回数が改善したかで、組織設計を評価しましょう。

出典・補足

操作と仕様は以下の公式資料に基づきます。設計案・練習課題・確認方法は本ガイドの提案です。製品実機での全操作と課金APIへの接続は未検証です。画面・提供条件は利用環境で確認してください。