このレッスンでできるようになること
APIは、自分のプログラムからGrokへ入力を送り、応答を受け取るための入口です。会話画面を自動でクリックする方法とは異なり、送るデータと受け取る形式をコードで管理します。このレッスンではPythonから短い文章を一回だけ送ります。目標は、認証情報をコードへ埋め込まず、成功した応答と失敗を区別できる最小の接続を作ることです。
1.開発用の利用条件を確認する
公式のAPI Consoleで、使うアカウント、利用可能なモデル、課金設定を確認します。一般向けアプリを契約していることだけで、APIの利用条件も満たしているとは判断しないでください。APIキーの発行と利用には、そのアカウントの権限が必要です。
今回のコードを実行すると、実際のAPI利用が発生します。本教材の制作時には課金APIへ接続しておらず、構文と模擬応答で確認しています。実行前に料金を確認し、練習では短い入力を一回だけ送ります。大量のファイルや個人情報は使いません。
API Consoleのチーム確認・作成画面です。アプリの契約とは区別し、APIを利用するチームを確認します。
2.Pythonの環境を分けて準備する
作業用フォルダーを作り、Python 3の仮想環境を用意します。一般的にはpython3 -m venv .venvで作成し、使うシェルに合う方法で有効化します。その環境でpython -m pip install openaiを実行します。公式例でもOpenAI互換のクライアントが使われていますが、接続先はxAIのAPIです。
以下をfirst_request.pyとして保存します。環境変数XAI_API_KEYが設定済みなら使用し、なければ非表示の入力を求めます。キーをソースやチャットへ書かず、公開リポジトリへ保存しないでください。端末で入力しても、その値をログへ出力する処理は追加しません。
import os
import getpass
from openai import OpenAI
key = os.environ.get("XAI_API_KEY") or getpass.getpass("xAI API key: ")
client = OpenAI(
api_key=key, base_url="https://api.x.ai/v1",
timeout=60.0, max_retries=0,
)
response = client.responses.create(
model="grok-4.7",
input="次の文を一文に要約してください:研修は30分です。参加は任意です。",
)
print(response.output_text)
3.送信内容と接続先を読む
コードのbase_urlは接続先、modelは利用するモデル、inputは送る内容です。ここではResponses APIを呼び、返答のテキストを表示します。モデルIDは2026年10月18日時点の公式例に合わせています。後から実行する場合は、現在も利用できるかモデル一覧を確認してください。
timeoutは待ち時間を無制限にしないための設定で、max_retries=0はクライアントの自動再試行を止めています。初回の練習では、一回の操作が何回の要求になるかを分かりやすくする目的です。失敗時の再試行は、後のレッスンで条件を決めて扱います。
入力文は、外部検索がなくても答えられる内容にしています。接続確認に最新情報の質問を使うと、認証に成功したかと、検索が正しくできたかが混ざります。最初は単純な文で応答を得ることに集中します。
4.一回実行し、内容を照合する
仮想環境を有効にした端末でpython first_request.pyを実行します。キーを求められたら、正しいアカウントで発行した値を入力します。応答には、研修が30分で参加は任意という二つの条件が残ることを期待します。返答の言葉が毎回完全に一致する必要はありません。
通信が成功しても、文章から任意参加の条件が消えていれば、内容の検査は不合格です。APIの接続成功と、アプリが必要とする品質を分けて確認します。空の返答や途中で切れた応答も、正常な成果物として次の処理へ渡さないようにします。
エラーが出た場合は、認証、モデル名、利用条件、ネットワークを順番に確認します。キーを含む全文を他者へ送らず、エラーの種類と発生した操作を記録してください。何度も同じ要求を送る前に、入力や設定で直せる問題かを調べます。
5.コードの説明をGrokに確認させる
自分で理解できないコードを、そのまま本番の画面へ組み込まないでください。次の依頼文で、秘密情報を除いたコードについて説明を求められます。説明もコードと照合し、実際には存在しない機能を言っていないかを確認します。
実践課題と完了チェック
秘密情報を含まない短文を一回送り、返答に必要な条件が残っているか確認します。キーがコードにない、接続先を説明できる、実行回数が分かる、通信成功と内容の合格を区別できる、という四点が基準です。APIを利用できない場合はコードの読解までを記録し、接続済みとは扱いません。次はモデルと推論設定を、同じ課題で比較します。



