このレッスンでできるようになること
Botが前の仕事を覚えていても、どの資料が最新版か分からなければ、古い条件で正しく作業してしまいます。今回は「覚えてほしい好み」「毎回開く資料」「今回だけの条件」を分け、統括と調査が同じ依頼書と成果物を見つけられる状態を作ります。フォルダー構成と台帳の項目は本コースの設計例です。公式仕様は2026年10月19日に確認しました。Grok実機でファイルを作成・検証した記録ではありません。
1.記憶に置くものと、資料に置くものを分ける
Botの記憶は、毎回同じ説明を繰り返す手間を減らすために使います。「結論から短く報告する」「会社名は正式名称で書く」といった継続的な好みは記憶や役割説明へ反映します。一方、料金、担当者、締め切り、今週の対象企業は変化します。重要な判断では保存された記憶だけに頼らず、現在の資料を開かせます。
たとえば先月の比較対象が三社、今月が二社なら「いつもの競合を調べて」では不十分です。「今回の依頼書にある二社を対象にする」と指定します。資料に矛盾がある場合も、更新日時だけで正解を決めず、どれを正本にするかを確認します。下書きが後に保存されたからといって、承認済みの条件より優先されるわけではありません。
2.一件の仕事に一つの保存場所を作る
公式ガイドでは、同じアカウントのBotが共有できる作業領域として/workspaceが案内されています。今回はその下に競合調査のフォルダーを作り、案件ごとに分けます。これは自分のパソコンのデスクトップではなく、Botのクラウドコンピュータ上の場所です。個人Botごとの秘密の保存場所でもありません。
統括の会話で、下の依頼を送ります。ファイル名は意味が分かれば変更して構いません。ただし同じ案件で毎回別名の「最終版」を増やさないようにします。成果物の版はv1、v2のように追跡し、台帳が現在の版を指す形にします。
資料は添付ボタンやドラッグで渡せます。添付しただけで用途が伝わったとは考えず、「このメモは自社の方針」「この表は比較対象」と一言添えます。読み取れないファイルがあれば、対象箇所をテキストで渡すなど、読めた範囲が分かる形にします。
3.作業台帳で、止まっている場所を見えるようにする
台帳の状態は、今回は「未着手」「作業中」「確認待ち」「修正中」「完了」「保留」の六つにします。これは公式の固定ステータスではなく、私たちが成果物管理に使う約束です。作業中の行には一体の担当を置き、確認待ちには渡した成果物を記載します。保留には理由と、誰の回答で再開できるかを残します。
行の例は「R01/調査/確認待ち/brief.md/report-v1.md/B社の発表日未確認」です。この時点で比較表が存在しても、調査全体が完了したとは判断しません。確認担当が見た結果を受けて統括が状態を更新します。複数Botが同じCSVを同時に編集すると競合しやすいため、本練習では台帳の更新は統括だけが行い、専門担当は更新内容を文章で返す方式にします。
4.次のBotが、ファイルだけで再開できるか試す
受け渡しの品質は、担当が変わったときに分かります。調査担当に保存先を渡し、作業開始前に対象と完了条件を説明し直してもらいます。説明が依頼書と一致すれば、少なくとも読み取りの準備はできています。ファイルが見つからない場合は、似た名前を推測して作業させず、統括へ戻します。
最終結果は保存先の文字列だけで終わらせず、会話にファイルか開けるリンクを返してもらいます。クラウド内のパスを知っていても、利用者の端末で直接開けるとは限らないからです。大切な成果物は会話から取得できることを確認し、必要なら自分の保管先にも保存します。
実践課題と完了チェック
前回の調査に案件IDを付け、依頼書と台帳を作ってください。調査担当が依頼書を開き、対象と完成条件を正しく言い直せれば第一段階は完了です。さらに、台帳の担当と成果物が実際の会話に一致することを確認します。記憶に任せる好みと、毎回開く資料も一つずつ決めてください。次回は、この共通の運用を使って必要な専門担当を選びます。

